想いを繋ぐものづくり、2021製材・伐採編。

こんにちは、スタッフの佐坂です。

まだ雪がちらつく日もある神山、そんなキーンと冷える時期にしずくでは年に一度の大仕事があります。
SHIZQの器の要、「伐採&製材作業」です。

私は今年で去年に引き続き2回目の作業。

今回も神山で製材業を営んでいる金泉製材のご家族のご協力のもとしずくメンバーフル動員で挑みました。

伐採に向かっているとき、金泉さんとお話しをしていると「神山の山は杉だらけになっているけど、自分はむやみに木を切るのではなく、本当に必要とされている木を切るようにしている」それを聞いて、ハッとしました。

杉をどんどん活用し、山肌にたくさん光が届くようにと、いつもそう思っていましたが、それだけではない。私たちが頂いている杉も金泉さんのおじいさまの代に植樹され、大切に育てられたもの。

命をいただいたからには、新しい命を繋げる使命があると強く思いました。

無事に伐採を終え、皮むきをし、いよいよ製材作業!

製材する木材の長さを固定するため、治具を取り付けます。
治具がしっかり止まっていないと、長さがバラバラになり後々の器作りに影響するので、大切な作業です。スタッフの東條、教えてもらいながら、しっかり固定できました。

そして今年も「木取り」は職人の藤本が担当しました。
一本の丸太から、どれだけの製品が取れるかをイメージし、切り方を決めていきます
しずくの器は、杉を伐採してから約2年後に完成するので、2年後の生産計画をする必要があり、木取りはとっても難しく且つ重要なところです。

また赤と白のツートンカラーが美しく見えるように切り取っていかなくてはいけないので、そこも計算しながら製材していきます。

今年の木取り図面

藤本の指示の通りに製材されていく杉材

そして今年も主任渡邉のフォークリフトが大活躍!製材していく丸太や、角材を必要な場所へ自由自在に運んでいきます。

製材作業も毎年知恵を絞り、ここはこっちのほうが効率的だね、こうした方が後々の作業が楽だねなど、スタッフみんなで最善の案を考えます
このような小さい気付きや積み重ねが、また来年以降の製材作業に活かされていくのでとっても大切な話し合いです。

そして今年は私チェーンソーに初挑戦しました
ずっと会社員でデスクワークをしてきた私にとって一番縁遠いいものでした(笑)
始めはなんだかとても恐ろしく、体がバキバキに硬くなりその体制でカットしてしまい切り口が斜めに。。
見兼ねた主任渡邉に「腰落としてやってみて〜」と体の使い方や力の入れ方をもう一度、横について教えてもらい、だんだんと真っ直ぐにカット出来るようになりました。
まだまだ上手く使いこなすとまではいきませんが、無事にチェーンソーデビューを果たしたので、これからは積極的に触れていきたいと思います!

製材した角材は、何に使うか分かるように木取り図面に沿って、印をつけパレットに収納していきます。ここからはまた割れ止め塗りをしていくので、別の場所に運んでいきます。

これでやっと丸一日の製材作業が終了しました!

昨年も感じましたが、この「伐採・製材作業」を体感すると、SHIZQの器たちを生み出してくれている自然の恩恵に感謝すると共に、長い年月をかけて作り上げる美しい木目に惚れ惚れします。

木が長生きできるのは、動物のように全体の細胞を入れ替えているからではなく、生きている部分は少なく死んでしまった細胞をうまく使い、骨のように体を支えているからだそうです。木は動かない一生を選んだことで、長生きできる体を手に入れた。それを知ると杉の生命力に圧倒されます。

冒頭の金泉さんの言葉を想うと、無駄な木なんてひとつもない。
今まだ神山の山は杉だらけで、需要も少なく杉の価値は低いものかもしれません。

価値をつける基準は人それぞれですが、私にとってこの美しさは改めて何にも代え難いものだなと思いました。

この美しい杉たちが、また2年後、SHIZQの器となって生まれ変わるのを見るのが今からわくわくしています。

 

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